【子どもを通わせる小学校】公立か私立か、それとも第3の選択肢か?

教師の語る教育論

先日,来年度から小学校に入学する子どもを持つ友人と話をしていると,どんな小学校に入学させるかで悩んでおりました。

私の子どもはまだ0才ですので,自分自身にはまだまだ早い悩みですが,気になる問題です。

特に小学校教育はこれからの学校教育の基礎となるもので,もっと言えば,学習観,人生観を養う場です。

小学校で「学ぶって楽しい!」となれば,学習することへの意欲が高まり,継続できるでしょうが,反対に「勉強ってつまんない…」となれば,その後勉強する子には育ちにくいと思います。

そこで,今回はどんな選択肢があって,それぞれのメリット・デメリットは何か,ということをまとめてみました。

小学校選びの3つの選択肢とは

まず小学校の選び方には大きく分けて3つの選択肢があります。

①公立小学校

②私立小学校

③国立小学校

国立小学校とは国立大学の附属小学校ですね。(例:京都教育大学付属小学校,奈良女子大学付属小学校など)

そしてこれらの学校に通う児童数は以下のようになっています。

出典:文部科学省「学校基本調査」(令和元年度)

このグラフから分かるように,小学校はほぼみなさん公立に通います。

中学校,高校では私立の割合は高くなりますが,小学校では私立という選択をされる方は少数です。

このような流れから,みんな公立だし,うちも公立でいいか,ということになりがちですが,少し立ち止まって考えてみましょう。

みんなと同じ選択をするということは,安心する反面,みんなと同じ教育しか受けられないということでもあります。

差別化が図れない中で,子どもたちは将来活躍できる人材になれるのでしょうか。

そんなことも踏まえながら,それぞれの校種についてくわしく考えていきます。

1.公立小学校

メリット

①学費がかからない

②近所に友だちができる

 

公立小学校のメリットは一言でいうと,「近くて安い」

授業料がかからないので,必要な費用は給食費や教材費,宿泊代ぐらいです。

そしてそれの支払いが難しい場合は,就学援助制度があります。

お金の心配がいらないのは大きいですし,その分を習い事に回したりもできますしね!

またほとんどの子が公立小学校に通いますので,家の近くで友だちと遊んだり,学校への登下校も友達と一緒になることが多いので,安心です。

親同士の情報交換もしやすいですね。

デメリット

①画一的な教育

②家庭の教育方針がバラバラ

 

公立小学校は学習指導要領の内容を確実に行い,文部科学省や教育委員会の意向を実現する必要があります。

そのため,どうしてもどの学校も同じような教育になりがちです。

子どもの主体性を育てる,ということを謳いながらも,実際には画一的な指導からはみ出す子どもを容認するのは難しく,個性が育ちにくいです。

もちろん工夫している学校や先生はいますが,公教育というものの性質上,同じような指導が求められがちです。。。

 

また,同じ学校に通う子どもは,地域が同じというだけで,同じ教育方針のものに集まった集団ではありません。

そのため,親の教育に対する考え方はまちまちで,子どもの質も多様です。

それが良さでもあるのですが,高め合う学習集団をつくるのが難しかったり,いじめなどの問題も起きやすいのかな,とも思います。

2.私立小学校

メリット

①教育方針が合う学校を選べる

②周囲から良い影響を受ける

③施設が充実

 

私立小学校は自分たちで選ぶことができます。

そのため,家庭の教育方針に合う教育を受けることができ,教員もその教育方針に合うように募集しているので,公立小学校のように当たり外れが大きいということは少ないです。

また入学してくる子どもの家庭の教育方針も似たようなおうちが多く,学習に前向きであったり,親同士や友だちからの影響は良いことが多いでしょう。

同じような子どもが集まるということはデメリットとも考えられる面はありますが。。。

また私立小学校では授業料や寄付金を徴収することができるので,自分たちで学校の予算を組むことができます。

そのため,公立よりも施設が充実していることが多いです。

以前紹介した立命館小学校では,給食はホテルのシェフが作っている,という充実ぶりです!

多くの公立小学校は予算不足で,十分に教育にお金がかけることができていないので,施設の面で子どもにとってどちらが良い環境かは明白でしょう。

デメリット

①学費が高い

②入試対策をする必要がある

③遠くに通学する場合がある

  

私立小学校のデメリットはこれに尽きます。

「お金がかかる」!

私立小学校には授業料の徴収があり,公立よりも大きくお金がかかります。

学費は学校によりまちまちですが,平均の年額は以下の通りです。

出典:文部科学省「子供の学習費調査」(平成30年度)

公立:約30万円,私立:約160万円,その差,130万円!!

これが6年間ですから,その差は780万円になります。

またこれだけではなく,入学前からお金はかかります。

私立小学校の入試を突破するためには,お受験の塾に通わないと合格は難しいでしょう。

時間もお金もかかります。

さらに通学の交通費もかかり…,となんやらかんやらお金がかかります。

それでも充実した教育を受けさせるために必要なお金だと思えれるのであれば,私立小学校という選択肢もありですね。

3.第3の選択肢→国立小学校

メリット

①学費が安い

②進んだ教育を受けられる

 

私立小学校に通うお金はないけども,公立小学校の教育では十分だと考えられない,という方はこの選択肢がおすすめです。

授業料はかかりませんが,大学の附属ですので,その実験校として進んだ教育が受けられます。

先生たちも専属の人や公立からスカウトされた人が集まり,やる気のある人が多いです。

デメリット

①合格が抽選で決まることがある

②教育方針が必ずしも合うとは限らない

 

国立小学校は必ず入れるとは限らない,ということが大きなデメリットになるかと思います。

学力試験を突破したとしても,希望者が定員より多い場合は抽選で決まる学校が多いです。

また進んだ教育ではあるものの,教育方針が合うとは限らないので,ここは吟味する必要があるかと思います。

まとめ

さて,みなさんはどの選択肢を選ばれますか?

気が早いですが,私は我が子には個性的な進んだ教育を受けさせたいので,国立小学校に行ってほしいと思っています。

ただし就学前から対策としてガンガン塾に通わせたりをするつもりはないので,落ちてしまったら公立小学校かなぁとは思います。

公立小学校に通わせることになっても,そのデメリットを考えておくと子どもの教育を考える上で役立ちます。

何はともあれ,子どもが幸せな人生を送れるような学校生活になるとよいのですね(^_^)

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