【国立小学校紹介①】奈良女子大学附属小学校とはどんな学校か?

こんな教育もあります

以前の記事で,進学する小学校について,公立ではなく,私立でもない,第三の選択肢として国立小学校があるということを書きました。

その良さは「学費が安いのに,特色ある進んだ教育が受けられる」ということです。

しかし,一口に国立小学校といっても学校によって教育方針は様々です。

そこで国立小学校を一つ一つ取り上げて紹介していきたいと思います!

その第一弾として,この記事では,歴史が古く,教育界では著名な「奈良女子大学附属小学校」をご紹介していきます。

 

奈良女子大学附属小学校公式ホームページ

概要

奈良女子大学附属小学校は,日本に二つしかない国立大学の女子校である奈良女子大学の附属校です。

(ちなみにもう一つはお茶の水女子大学)

開校は1911年で,奈良女子高等師範学校附属小学校としてスタートしました。

個人的には大正自由教育で有名な木下竹次さんの合科学習の実践校としてのイメージがあります。

全校児童は408名で,12学級(各学年2クラス)あるようです。

各学年2クラスずつで,1クラス35人程度の規模のようです。

教育目標

私たちは、子どもも教師も、ともに成長し、ともに人間らしく生きることを願う教育を進めています。自分で生活をきりひらき、物事の真実のすがたを求め、納得のいくまでつきとめ、互いに尊重し合って生きていく人間でありたいと願います。子どもたちの考えかた、感じかた、行いかたを通じて真の子どもらしさを尊重し、子どもの自我を確立させるように具現したいと考えます。
こうした考えから私たちの教育目標を、

1 開拓、創造の精神を育てる
2 真実追及の態度を強める
3 友愛、協同の実践を進める

の3点としています。

出典:奈良女子大学附属小学校公式ホームページ

 

このような教育目標って難しい言葉が並んでいて読みにくいし,各学校の違いが分かりにくいですが,教育観を感じるポイントだと思います。

奈良女附小のキーワードは「人間らしく」というところでしょうか。

みんなで協力して,自分たちらしく真理を求めていこうよ!ってな感じでしょうか。

 

そしてこの教育目標を実現するための方法として,以下で紹介する具体的なカリキュラムがあります。

奈良女子大学附属小学校のここがすごい!

①教育カリキュラム

奈良女附小のカリキュラムは,「しごと」、「けいこ」、「なかよし」の3つから成り立っているところに特徴があります。

「しごと」は、新鮮な感覚と知性に立って、自由な視点から弾力的に考えることのできる、人間としての幅を育てます。自然、人間、社会の真実のすがたを求めて、その知見と視野を拡げ、身近な現実の問題を追及して新しい社会生活のありかたを見通させ、それに向かって自己の生活態度ならびに生活環境をつくりかえていく意欲と実践力を育てることに主眼があります。総合的な単元学習の形態をとります。

「けいこ」は、ものごとの筋道を究明して、本質的に自己をみがき、人間としての深まりを育てます。人間形成の実質的内容となる基本的な能力を、生活の手段として確実に習得させて、しだいにその量を多くするとともに、質的にみがき、さらに進んで新しい文化を創造する基礎力を養おうとするところに主眼があります。特定の目標に応じた分科的学習形態をとります。

「なかよし」は、相手を生かし、自己を生かして、互いに協同する人間としての結びつきを育てます。校内において、自分の所属する有意義な集団をつくり、その生活に適応しながら、成員の友愛と協同によって、集団生活を改善し、また新たに建設していくことに主眼があります。学級を解体した小集団による実践的な学習形態をとります。

出典:奈良女子大学附属小学校公式ホームページ

要するに,「しごと」は総合的な学習の時間,「けいこ」は教科学習,「なかよし」はたてわり活動や行事,といった感じです。

特に,今、下火になりつつある総合的な学習の時間を3つの柱の1つとして掲げているところがすごいです!

公立小学校では,とりあえずやれというからやっている,以前の学年でやっていたことをそのままただやっているだけ,というところが多い中,しっかりと力を入れています。

またHPを見ると,「なかよし」の活動も充実しており,「サイエンスラボ」「スポーツラボ」など,各々が追求したいテーマに分かれて活動する学習など,公立では見られない学習をしています。

②幼小一貫教育

 

かつて公立では中高一貫校というのが流行り,近年では小中一貫校というのが流行っています。

そんな中,奈良女附小は公立ではあまり見かけない「幼小一貫校」です。

なので,幼稚園3年・小学校6年という捉え方ではなく,初等前期2年・中期3年・後期4年というまとまりで考えられています。

確かに現場で小学生を見ていて,特に1年生なんかは幼稚園児として捉えた方がよいなと思うときもありますし,小1プロブレムという言葉があるように小1で小学校と幼稚園のギャップで問題が発生するのであれば,5歳から小学校教育に慣らすのは効果的かもしれません。

 

そしてこのまとまりの垣根を越えて,たてわりで交流する機会が多くあります。

小学校1・2年生ってお兄さん・お姉さんとして振る舞える機会が少ないんですよね。

なので,たてわり交流で「しっかりしなきゃ!」という意識が早くから芽生えるのはとても良いです!

入学したい人向け

倍率などは非公開のようで,ホームページから読み取れる情報は限られていますが,掲載しておきます。

 

1.募集人数

  第 1 学年児童 70 名
  ※ 本学附属幼稚園からの進学者約 48 名を含む。

2.通学範囲

  公共の交通機関(電車・バス)、徒歩によって片道 45 分以内で通学できる場所に、保護者とともに居住している者。あるいは令和 4 年 2 月 28 日までに居住する予定がある者。

3.検定料

  3,300円

4.入学適性検査の内容
  筆記、集団活動、親子面接、書類審査を行い、総合的に評価します。

  ※出願者が適性検査実施可能人数の上限をこえた場合は、抽選を行い適性検査の受検者を決定します。

 

入試問題ですが,過去問も売られているようです。

受験をお考えの方はぜひ試してみてください。

まとめ

公式ホームページから分かる情報は限られていましたが,通常の公立小学校の違いは確かにあり,特に「しごと」「けいこ」「なかよし」の3つのカリキュラムは独特です。

私立と違い,授業料などの学費はかからない上,大学で研究された進んだ教育を受けられるので,入学する価値は高いと思います。

現在はコロナのために研究発表会もなかなか実施できていないようですが,ぜひ機会を設けて参加したいと思います。

さらに調査を進めて,分かったことがあれば,またご報告します!

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