【AI壁打ち】対等とは何か【本質観取】

以前の記事では「学校とは何か」をテーマに本質観取をしてみました。

今回はその第二弾としてChatGPTと一緒にやってみたいと思います!

今日のテーマは「対等とはなにか」です。

①テーマを設定した理由の共有

私がやっているのはデモクラティックスクール(サドベリースクール)です。

デモクラティックスクールには「子どもと大人は対等」という原則があります。

しかし、この対等ということはどういうことを指すのか、考えれば考えるほどよく分からなくなってきます。

対等ということは、上司と部下や指導者と教え子、のような関係ではないというのは分かります。

しかし、職場の同僚と友だちでは接し方が少し違うような気がしています。

しかもデモクラティックスクールのスタッフと子ども、成人と未成年という違いもあり、役割が異なってきます。

そんな中で子どもたちと対等になるということはどういう接し方をすればいいかを再考してみたいと思いました。

②テーマに沿って具体例を出す

では次に具体例を出していきます。

私の思う「対等」の例は以下の通りです。

・どちらかの命令を聞いたり、圧をかけられることなく、お互いの意見を出し合うことができる

・意志決定の際は双方が納得できる

・アドバイスや注意はするものの命令したり、叱ったりはしない

・良いと思ったことは口に出すが、意図的に褒めたりもしない

・個人としてはそれぞれが何をするのも自由

・お互いにやりたいこと・やりたくないことを言ってもいい

次にChatGPTの挙げた具体例はこれです。

・会議で子どもも大人も同じ一票を持って意思決定に参加する

・学校のルールづくりに子どもも大人も意見を出し合う

・子どもが「今日は遊びたい」と言ったとき、大人が「勉強しなさい」と上から押し付けず、対話を通じて調整する

・大人も失敗したときに謝る、つまり「子どもにだけ謝らせる」のではなく、責任のあり方が対等に扱われる

さすが、人間とは情報量が違うため深い!

でもデモクラティックスクールをやっているという私のバックボーンを考慮しすぎな感じもあるけど。。。

合わせて類似概念や反対概念、類型について考察することも大事です。

・【類似概念】平等 →等しく同じように分け与えられた状態。対等は同じ立場にあるということで結果的に平等になるとは限らない。

・【類似概念】公平 →だれにでも同じ権利がある状態。対等は公平を基にして作られた関係のことでは。

・【反対概念】上下関係 →指示系統がはっきりと決まっている状態。意見は言うことができても決定権は上の人にある。

これは私が考えたものですが、ChatGPTさんにこのことを投げかけてみたら、色々増やしてくれました。

◆ 類似概念

  • 平等(Equality)
     人数や量を同じに扱うこと。例:一人一票、同じ給食を配る。
     👉 「対等」は数の同一性ではなく、関係性のあり方に注目。
  • 公平(Fairness)
     個々の状況や必要に応じてバランスをとること。例:背の低い子には踏み台を渡して同じ景色を見られるようにする。
     👉 「対等」は条件を調整するというより、立場の上下を設けない。
  • 互恵(Reciprocity)
     お互いに与えたり受け取ったりする関係性。
     👉 「対等」は必ずしも交換関係ではなく、存在そのものを同じ地平に置く。
  • 放任
     「何をしてもいい」と突き放す。👉 これは対等ではなく、むしろ関係性を放棄している。
  • 対称性の誤解
     「子どもも大人も全く同じことをできるべき」という考え。👉 実際には身体的・社会的条件の違いがあるため、同じことをすることが対等ではない。

◆ 反対概念

  • 上下関係(Hierarchy)
     年齢・地位・経験に基づいて「命令する側」と「従う側」がある関係。
     👉 「対等」は年齢や立場の違いがあっても、優劣ではなくただの「違い」として受け止める。
  • 権威主義(Authoritarianism)
     大人・教師・親が子どもに「従わせる」構造。
     👉 「対等」はその逆で、力によらず対話で関係をつくる。
  • 従属(Subordination)
     一方の意志が他方に押し付けられ、選択の余地がない関係。

◆ 対等の類型

  • 形式的対等
     ルールや制度の上で平等に扱われる。
     例:一人一票の投票、授業で全員同じ教材を渡される。
     👉 形としては対等でも、実感としては差が残ることもある。
  • 実質的対等
     力関係や背景の違いを超えて、実際に声や意志が同じように尊重される。
     例:会議で大人も子どもも同じ発言権をもち、決定に影響を与えられる。
  • 関係的対等
     日常のふるまいにおいて、相手を上下でなく一人の人として扱う。
     例:子どもが失敗しても大人が上から叱るのではなく、自分も失敗を認めながら一緒に考える。
  • 存在的対等
     「生きている存在として等しく尊い」という前提に立つ。
     例:年齢や能力に関わらず、子どもも大人も「人として同じ地平にいる」という思想的な土台。

つまり「対等」とは、数値的な同一性(平等)とも違い、必要配慮の調整(公平)とも違う
むしろ「関係性の水平性」「上下をつくらない在り方」に本質があると見えてきます。

さすが、ChatGPTさん!

対等が平等や公平とどう違うかもよく分かりました。

実体験をしていないのに、私より数段深い。。。

③具体例に共通するキーワードを挙げる

では、②で挙げた2人(1人と1台)の具体例から共通するキーワードを考えていきます。

私は以下のように考えました。

・対話を通じてお互いの意見を調整する

・優先されるべき意見が決まっておらず、みんなに等しく決定権がある

・個人としての独立

・権利の尊重

・年齢・立場・優劣・必要配慮などによらない水平な関係づくり

で、これをChatGPTさんにふってみました。

◆ 共通するキーワード(候補)

  • 対話的調整
     命令ではなく、話し合いを通じて意見をすり合わせる。
  • 対称性のある決定
     一方の意見が自動的に優先されず、すべての人に等しく決定権がある。
  • 相互の独立性
     一人ひとりが「個人」として認められ、依存や従属に押し込められない。
  • 権利と尊厳の尊重
     子どもも大人も、意志・感情・行為の自由を持つ存在として尊重される。
  • 水平性(non-hierarchy)
     年齢・立場・経験による「上下」を関係の基盤にしない。
  • 配慮と自由の両立
     公平さ(必要に応じた配慮)を否定せず、しかしそれが優劣や従属を生まないように扱う。
  • 存在的承認
     成果や役割に関わらず、「人としてそこにいること」自体を認め合う。

👉 まとめると、「対等」を成り立たせる要素は 対話/決定権の共有/独立性/権利尊重/水平性 が中核にあって、そこに「配慮と自由の両立」や「存在的承認」が加わる、と整理できそうです。

すごい!すごいぞ、ChatGPTさん!!

的を射てる感じします。

人類はAIに勝てるのか・・・?

④本質契機(そのテーマを表すために必須の条件を決める)

③を受けて、「これを外しては対等とは呼べないよね」というものを考えます。

まず私の考えです。

・対話を通じてお互いの意見を調整し、みんなの権利を尊重できるようにする

・優先されるべき意見が決まっておらず、みんなに等しく決定権がある

・個人の自由が担保されている

・年齢・立場・優劣・必要配慮などによらない水平な関係づくり

・成果や役割に関わらず、「人としてそこにいること」自体を認め合う。

これをAIさんに投げてみたところ、整理してくれました。

「いや、そうじゃなくて対話がしたい!君の意見を教えてくれ!」と投げてみたところ、以下のまとめになりました。

・決定は話し合いで行われたか?(命令がなかったか)

・誰の意見も制度的・実質的に排除されていないか?

・個人の選択の自由が不当に奪われていないか?

・支援はあるが、それが主体性を奪っていないか?

・責任と説明の枠組みが共有されているか?

これだけ読むとあっさりしたもんですが、その前段に大量の情報まとめが返ってきています。

その中身を読むと深い考えです。すごいです!

⑤本質定義(テーマの答えを一言で定義する)

ということで、ここまでをまとめて、「対等とは何か?」の問いに答えたいと思います。以下のように定義しました。

「対等とは何か?」 = 水平な関係づくりを基盤として、個人とみんなの自由が相互承認により保証された状態

うーん、あまりしっくりきてないかも。。。

ChatGPTさん、お願いします!

「対等とは、上下の優先を設けず、自由と責任を等しく分かち合うために、相互承認と対話を通じて関係をつくる状態である。」

そして、私とChatGPTさんの意見を統合して、最終版を作ってくれるそうです!

「お願いします!」と言ったら、そのまんまつなげたながーい文が返ってきました(笑)

短くするようお願いしたら、こうなりました。

「対等とは、上下を設けず、自由と責任を相互に承認し分かち合う関係である。」

悪くないけど、ちょっと縮めすぎかも?

ということで最後はやっぱり自分が作った定義を採用します!

対等とは、水平な関係づくりを基盤として、個人とみんなの自由が相互承認により保証された状態

AIとの哲学対話も学びが多い

AIとやるときのコツが少し分かりました。

先にこちらの意見を伝えないと、迷いなく淡々と進み過ぎるし、色々網羅した意見を出してくるので、こちらの意見を伝えづらいです。

反対に、こちらの意見を先に伝えて進めると、それに流され過ぎる傾向もありました。

途中、ちょっとChatGPTさんが答えづらそうにしてたので、AIの思考を深めることに成功したかも?!

でも、一人でやるときより確実に深まりました!

スタッフと子どもという立場や役割による違いは、対等な関係においてはあってもよいんだな、と思いました。でも、それが優劣につながらないような関係づくりが必須です。

AIとやると、考えが広がり過ぎる傾向があることも分かり、頭が疲れました。。。

でも、やっぱり人間とやる方が面白いなぁ。表情が見えたり、本質観取を進める過程で人間関係づくりができるところが良さです。

ChatGPTさん、今回はありがとうございました!!

他のAIだとまた違うのかな?

哲学対話用AIとか開発されたら面白いですね(^^)

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