【収支表公開】ここが大変だよフリースクール運営【不登校34万人】

元教員のみょーちゃんですが、自分で学校を作ろうと思って退職しました。

しかし、そう簡単にうまくいくわけがなく、3年目になった今も苦労の連続です。

教員時代いかに高給取りだったか分かるようにガクッと身入りのお金が減ったり、思うように人も集まらなかったり。

独立・開業をする人が増える世の中ですが、フリースクールの運営は特に難しい業界ではないかと思います。

これからフリースクールを立ち上げようという方の参考になればいいと思うし、今既に運営されている方は共感できると思います。

どうぞ最後までお読みください!

お金の問題

まずどれくらいお金が入らないか、こちらの表をご覧ください。

こちらは2024年の収支であるが、お分かりいただけただろうか・・・?

そう、114万円の赤字である。

しかも、ここには人件費は一切入っていない。無給でやってこの結果である。私のスクールはスタッフが基本私一人なのでまだマシだが、スタッフを雇用していたりしたら、それこそ火の車です。

この赤字を補填するために別の仕事をして、±0にしているが、お金だけみたらなんのためにやっているか全く分かりません。

教員時代と比べて給料が3分の1くらいになる、と聞いていたので覚悟していましたが、まさかここまでとは。。。

「じゃあ利用料を上げればいいじゃないか!」と思う人もいるかもしれません。

でもそう簡単ではないです。最大の競合(あえてこういう言い方をします)は税金で運営している学校です!施設としてはあれだけ立派なのに、給食費・教材費ぐらいで、保護者の負担額はほぼありません。

教育は無償で受けるもの、という認識がある中であえて卒業資格を得られないオルタナティブスクール・フリースクールを選び、月5~10万円も払うでしょうか?私立学校にするならあり得ることだとは思いますが。

そして、フリースクールやオルタナティブスクールに来る子どもたちは、公教育が合わずに行き場をなくしている子が多いです。そんな子たちの家庭に経済的に重い負担をかけるのも大変心苦しいです。

「赤字は助成金や寄付で補えばいいじゃないか!」ということも思うかもしれません。

やったことがある人なら分かると思いますが、そう簡単ではない。

助成金は確実に取れるものでもないし、手間が超煩雑!使い道も限られます。

寄付なんてもっと大変!寄付を募るということは、営業してお金をかき集めるということです。ホームページに寄付ページを作ったらもらえるなんて甘い世界はありません。その分使い道は自由なのは大きなメリットですが。

最近ではクラウドファンディングも流行っていますが、こちらもページ作成の手間があるし、手数料も取られます。

どれも言い訳に聞こえるので、やらないわけではないのですが、そう簡単ではないという話です。

行政の仕組みをうまく活用して補助金を得たり、うまくやっているところはあるものの、持続可能なスクール運営に対してまだ解決策を持っているところはありません。

みんな副業を頑張ったり、元々資産を持っていたり、パートナーが働いて稼いだり(うちはこれ)。

これからもついて回ることですが、考えていきたいです。

集客の問題

2015年の文科省の調査ではフリースクールは全国に474カ所あると言われています。

コロナを経て一気に増えたので、肌感では今この倍以上あるのではないでしょうか。(私のスクールも2023年から)

それに対して全国の不登校児童生徒数は34万人以上いて、年々増加しております。

全国に1000カ所フリースクールがあるとして、不登校児童生徒が全員通ったとすると、1カ所340人!こんな学校のような巨大なフリースクールはありません。

ということで、不登校の子どもたちの多くはフリースクールに通っていません

少し古い調査ですが、不登校の子の97%以上はどこにも通っていないとのことです。

不登校のほとんどがフリースクールに通わない3つの理由 | AERA DIGITAL(アエラデジタル)
日本で唯一の不登校・ひきこもり専門紙「不登校新聞」編集長、石井志昂さんがつづる連載「ぶらり不登校」。自身も不登校の経験がある石井さんは、学校に行かない子どものほとんどがフリースクールに通わない背景…

このデータから考えると、「ニーズが高いんだからフリースクールを始めれば子どもはたくさん圧あってくれるはず!」と思うかもしれません。

ところがこちらもそんな簡単な話じゃない。

地域差があるし、ニーズも違う。そこにスタッフ、子どもと相性が良いかも分からない。

ということで、受け入れる場所があれば子どもがどんどん来る、ということはありません。

私も初めて2か月はだれも来ない日が続き、その後2年も一人か二人という日ばかりで、開店休業状態の日も多かったです。

しかも不定期利用がほとんどです。私は学校を作りたいと思って始めたので、腰を据えてここで学んでいく、という子に来てほしかったのです。

3年目に入ってやっと所属する子どもが5人になり、ようやく学校としての一歩を踏み出し始められたのかなと思います。

ということで、子どもを集めるのは本当に簡単ではなかったです。もちろんSNSやチラシ配り、イベント開催などやれることはやりましたが、それですぐ結果に結びつくわけではないので、根気と覚悟が必要です。

私のように小さな学校づくりをしようという思いの方にお勧めなのは、教育方針を明確に打ち出すことです。

ではないとスクールに入ったはいいもののミスマッチが起こり、結局子どもが離れていくことにつながります。

この集客の問題は今後もずっと考え続けなければいけません。口コミで広がるように、通う意味を感じてもらえる学校づくりをしていきたいです。

スタッフ雇用の問題

最後はスタッフの雇用が難しいということです。

お金の問題も大きく関わりますが、私のスクールの場合、方針を理解してそれに沿ってできるスタッフがいない、ということが大きいです。

私のスクールはデモクラティックスクールです。

スタッフを募集するときに、まずはボランティアスタッフから募集するのですが、この方針に合う方がなかなかいません。

なぜならスタッフから子どもたちに手出ししないからです。

ボランティアで来てくれる方は奉仕の精神を強く持たれている方が多いですが、デモクラティックスクールにボランティアに来ると、初めは特にやることがありません。

「一緒にゲームしよー」など、子どもたちがサポートを求めてきたときにだけスタッフは動きます。

そうすると、スタッフはやることがなくてヒマな状態が続くので、「何しに来たんやろ・・・」という気分になるのではないかと思います。(本当は色んな大人がいてくれるだけでとても助かるのですが。。。)

現にこれまで6~7人ほどボランティアで来てくれた人がいますが、定着できたことはありませんでした。

売り手市場で人手不足の現在の状況の中、お金も十分に出ず、方針も難しいという二重苦でスタッフ探しは難航しています。。。

基本的に私が一人でスタッフをしているので、女性の方に来ていただけると大変ありがたいと思いながら、こちらも難しい問題です。

やりがいしかない

若者言葉?で「これ、やりがいしかないわ」ってよく聞くけど、フリースクール運営は本当に文字通りそれです。

いい意味でも悪い意味でも。

とてもやりがいがある一方で、やりがい以外の報酬はほとんどない、という意味です。

子どもたちを集めるために駆け回ったり、スクールで子どもたちのサポートをする、といっぱい働くけど、収入はほとんどなし。むしろ赤字で自分の貯金から持ち出しをすることもある。

規模を拡大すればいいというわけでもなく、お金を儲けるのが構造的に難しい業界ではありますね。

だから、「子どもたちのために」とか「自由な学び場を作りたい」という思いを本気で思って人生かけてやろうとしないと難しいです。

私自身も到底持続可能とは言えないので、その道を探っている途中ですし、このブログもその一環です。

でも、やりがいはあります。

特に私のように学校で働いていた人は学校とは違う子どもたちの姿が見えます。

カリキュラムが決まっている学校と違って、自由な選択の中で子どもたちがどんな発想を持ち、どんな方向に向かっていくのか。

見ていて「おもしろっ‼」と思えることが私のやりがいです(^^)

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