子どもが学齢期になったとき、大きく4つの選択肢があると思います。
地域の公立学校に入れるか、私立学校に入るか、オルタナティブスクールに入るか、ホームスクーラーになるか。
いわゆるフリースクールに行くのは一度学校で不登校になってからではないでしょうか。
この時点で少しニュアンスが伝わるような気がしますが、本記事では学校とオルタナティブスクール、そしてフリースクールの3つの違いについてまとめました。
学校とは
一般的に学校というのは、学校教育法の第1条に掲げられている種類の教育施設のことです。(いわゆる一条校)
学校教育法第一条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。
一条校になるためには、校舎や土地の条件、建物の大きさ、設備の充実度や一定期間運営できるための資金など、かなり厳しい条件があります。学習指導要領にも法的効力はあるので、無視できず、教育内容には制限があります。
一条校を作れるのは、国・地方自治体・学校法人だけだと思ってたらそうではないらしいです。知らなかった!NPO法人・株式会社なども一条校を設置できるらしいです。でも経済的な支援が前述の3者とは全然違うので、経営的に厳しいそうです。。。
この一条校の他に学校教育法では「専修学校」「各種学校」の定めがあり、これらも認可が必要です。(でも私学助成金がもらえたりするわけではないので、何のメリットがあるの?というのは現在調査中。)
また小学校や高等学校、大学など学校教育法第1条に掲げられている種類の教育施設の名称は認可された学校にしか使えません。
紛らわしい名前の高等学院や大学校は概ね学校ではないことが多いです。通信制高校のサポート校もいわゆる学校には当たらないので、多くがこのような名称を使用しています。
ちなみに学校という名称はフリースクールなどでも使えるようです。
オルタナティブスクールとは
オルタナティブスクールとは、学校教育法で国から認められた学校ではないスクールのことを指します。(いわゆる無認可校)
オルタナティブとは「代わりの」「もう一つの」という意味であり(この言い方は好きではありませんが!)、既存の学校とは違う価値観・教育方針で作られた学校です。
フリースクールが不登校支援の文脈での意味合いが強くなり、その代わり使われ始めた言葉がオルタナティブスクールです。
昔、他の人がオルタナティブスクールとフリースクールの違いについて、このようなことが書かれているのを見たことがあります。

フリースクールは理念がなく目の前の子どもに合わせる形でも作れるが、オルタナティブスクールは理念がないと作れない。
この言葉は私にすごく響きました。
学校を作るぞー!と思って教員を辞めたはいいものの、理念がはっきりしない。考えていたものはあったけど、言葉に落とし込めていない。目指す子どもの姿がうまく描けない。
そんな感じでスタートした私のスクールなので、初めの2年間はフリースクールと言って差し支えないと思います。
そこから紆余曲折あり、デモクラティックスクールになって、やっとオルタナティブスクールになれた感じがしています。
デモクラティックスクールも一般的にはここに属します。
他にも、モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、フレネ教育、などを行っているオルタナティブスクールがあります。
インターナショナルスクールもここに入る場合があります。(各種学校である場合が多いらしいですが)
国に学校として認められたわけではないので、卒業しても履歴書の上ではその学校の名前は書けず、所属する地域の学校の名前を書くことになります。
フリースクールとは
本来フリースクールとは「自由な学校」という意味です。何から自由かと言うと、学校で行われている教育方針から自由、という意味でしょう。学校以外のスクールは全てフリースクールと言っても過言ではないです。
世界中でフリースクール運動が起こった源流はイギリスにあるA.S.ニイルが作ったサマーヒルスクールにあると言われています。
日本ではそれを参考にして作られたのが「きのくに子どもの村学園」が有名です。映画「夢見る学校」でも紹介されましたね。
しかし、時代の流れとともに不登校支援の文脈で使われることが多くなり、現在一般的には「不登校の子を受け入れる場所」として認識されているように感じます。
文科省もフリースクールを以下のように定義しています。
不登校の子供に対し、学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行っている民間の施設
これを見てもフリースクールが不登校支援がメインの活動であることが分かります。
一方で多くのオルタナティブスクールは、不登校児童生徒を受け入れないわけではないのですが不登校支援をしているわけではなく、自分たちの教育観に基づいて子どもを育てたいと思っています。
合ったところを選ぼう
それぞれ枠組みや教育内容・方針に違いがあります。
学校を卒業するという安心感や資格が欲しいのか、教育方針が合うところで子どもの育ちを重視したいのか、一人一人の子どもに寄り添う環境がよいのか、によって選ぶところが変わります。
同じフリースクールでもその中身は千差万別なので、選ぶって簡単に言うけど大変ですよね。。。出会いや縁も大事かもしれません。
私は学校を作りたいと思って仕事を辞めてこの世界に飛び込みました。それは学校法人を作りたい、という意味に限りません。では私の言う学校って何なんでしょうね?核となることは何でしょうか?
それはまた別記事で本質観取して考えてみたいと思います!
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