デモクラティックスクールとしては子どもたちはどんな生き方を選択してもいい、という考え方を大事にしていますが、私個人としてはタイトルのように思っています。
それはなぜでしょうか?
大学だけが学びを選べ、自ら学ぶ楽しさを実感できたからです。
「中学や高校でも選択科目あるけど?」
というご意見をちょうだいしそうですが、それはちょっと違うのです。
この記事の内容は大学に行ったことがある人にとっては当たり前の内容かもしれませんが、私自身が大学に行って良かったと感じたところを体験談として紹介します。
進路を考える上で少しでもご参考になればと思います。
中高の勉強にいい思い出はない
確かに中高でも選択科目などがあり、選択の余地はあります。
でも、教科の枠は決まっているし、到達点は違えどみんな同じ道を辿る勉強です。
特に中高一貫で進学校育ちの私は、大学受験以外に勉強の意味を見出せず、「なんでこんな勉強しなあかんの?」とやらされ感満載でした。
勉強の出来は悪くはないけど、基本的に興味はありませんでした。
また少し興味が出ても「これ何の役に立つの?」という思考が強くなってしまい、ハマることができませんでした。
英語だけは将来役に立つと信じて頑張りましたが、心からやりたいと思ってはいませんでした。(話す聞くはできないので、今となってはあまり役にも立ってませんが…)
大学受験に向かうことが第一の中高のカリキュラムを受ける中で、「この勉強何の役に立つの?」「役に立たないことなんてやっててもしょうがない」という考え方が育ってしまったように思います。
これは私にとってのヒドゥンカリキュラム(教育課程による表面的になってない学び)というやつですね。
本来の学ぶ楽しさを忘れてしまったように思います。
で、このような学校に対するどこか諦めのような気持ちが大学に入って一変しました。
大学の良さ①学ぶ内容が選べる
大学では一般教養科目・専門科目の単位は取らなければいけないものの、自分が興味がありそうな授業を自由に組み合わせて選択できます。
中高とは選べる幅が全然違うのです。
私自身は自分の学部の授業が面白かったです。
教育に興味があったので、教育学部に入りましたが、各地で実践されている教育の形を学ぶ教育方法学は私の心をガシッと捕らえました。それだけでなく、教育心理や教育哲学もどれも興味深かったです。
近年は、マンガ学部、とか、恐竜学部、とか堅苦しい学部ばかりでなく、本当に興味に合った学びができるようで面白そうです。
ということで、自分が興味ある学部をよく考えて入れば、いよいよ手に入った学びたいことを学べる時間!と感じられて最高に贅沢です。
しかも、学部の勉強が肌に合わなければ転学部することも可能。どの大学でもそうかと言われると分かりませんので、そこはよく見極めることは大事だと思います。
私は志望する大学の学部に入れたということも大きいと思います。
大学の良さ②出席しない自由がある
授業に出るも出ないも自由。その代わり責任は自分に降りかかります。(単位が取れなくなる)
以前私は小学校の教員をしていましたが、学校は「子どもの主体性」という言葉を使うのが好きですが、その実「選ばない自由」はないんですよね。
授業の中で選択できる場面は作りますが、授業に参加しないということは勧められない。
不登校、という選択もありますが、多くの場合周囲はほっといてはくれません。
でも大学では授業に出なくても何の圧もかかりません。(友だちからは心配されるけど)
大学の良さ③同調圧力が弱まり、個人の自由が尊重される
中高では勉強に嫌気がさしていたことに加え、友人関係でも思い悩むことが多かったです。
空気を読んでグループに所属する。私はヘラヘラしながら金魚のフンをやっていました。嫌なことがあってもあまりはっきりと言えない。断れない。
大学に行くと、これがかなり緩和されます。
クラス単位で動くことがほとんどないのが大きいのだと思います。みんなそれぞれ違う授業をとって、違うタイミングで学校に行って、違うタイミングで帰る。
といっても、私の学部は60人だけで中高のクラス感が多少あったので、たまにそういうところもある。。。
1回生の時とかは、英語の授業とか学部の行事とかクラス単位で活動することも多かったので、自分だけ昼ご飯一人とかになったりすると、まあまあしんどかった思い出もあります(笑)
子どもたちには小さい時から自分の思いを大事にしてほしい
そんな自分の体験から、子どもたちには「好きなことを追求して、その中で芋づる式に学んでほしい」「学ぶことを好きなってほしい、楽しんでほしい」という思いを持っています。
だからデモクラティックスクールだけでなく、私の思い出の中の大学のような学校が義務教育段階から実現できるならやりたい気持ちもあります。
でも現状ではなかなか学校法人の枠組みの中で作るのは難しそうだと感じています。
「中高の勉強は嫌だけど、大学には行ってみたい」と思うなら、高卒認定試験に合格して、自分の好きなように時間を使いつつ、大学進学を考えていくのがいいんじゃないかなと思っています。
一方で一口に高校と言っても、通信制も増え、探求学習も重視されている昨今、特色があって面白そうな学校が増えているのも事実。
また私も日々色んな学校の在り方について勉強していきます。
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