会議、ミーティング、打ち合わせ、など、色んな言い方をしますが、人と話をして合意形成を図ることがあると思います。
私のやっているデモクラティックスクールではそれが軸になっています。
普通の学校では決定事項が多いですが、それでも子どもたちで話し合う時間は多いです。
ということで、大人も子どもも対話することは大事だと思いますが、「なんかモヤモヤが残るな」という終わり方の場合もよくあるかと思います。
ではどういった対話がみんなが納得できる良いものなのでしょうか?
より良いクラス運営を考えたい先生やコミュニティの活性化を図りたい方、必見です!
対話とは何か?(会話・議論との違い)
それぞれの意味について調べると、辞書的な意味にあまり明確な違いはありませんでした。
そこでまたChatGPTさんにまとめていただきました。ありがとう!
会話=軽いコミュニケーション(おしゃべり)
対話=相互理解を深めるやりとり(聴き合い)
議論=論理的に結論を目指すやりとり(意見の戦い)
さすがです!
でも議論が「意見の戦い」というのは言いすぎな感じです。
というより、対話を通して結論を出すのが議論、というイメージです。
ですので、この記事ではあまり明確にそこを区別せずに「対話」という言い方で進めたいと思います。
他にも、協議、とか、懇談、とか色んな言い方の話し合いがありますが、この3つのどれかに近い概念だと思います。
ポイント①方向性の共有(目的・時間)
まず初めに何のために会議をするか、どうなったら目的達成か、どのような段取りで進めるか、時間は何時までかなど、会議の方針が確認されているのが良いと思います。
話を進める中で迷子になることがよくあるのですが、指針があると修正しやすいです。
逆にこれがはっきりせず、ぼんやりと話が進んでいくと、一部の人だけで進んだり、参加者のモチベーション低下につながります。
また時間について確認する際には十分な時間を確保することについても考える必要があると思います。
場合によっては途中で時間の延長が必要な場合もあるかもしれませんが、それも合意することが必要ですね。
ポイント②お互いを尊重する
言うは易く行うは難し、というやつです。
もうちょっと解像度を上げると、話がしやすい雰囲気が作られていたり、話したことがスルーされず受け止めてもらえる、話してよかったと思える、そんな対話の場です。
そんなことは知っとるわい!という感じかもしれませんが、神は細部に宿ります。
参加者の表情とか、うなずき、相槌、体の向き、目線など、細かい一挙手一投足から相手は尊重されているかどうか判断します。
だから行動に気をつけろ、という話ではなく、心から相手を尊重する気持ちを持っているかどうかが大事ですね。
でも、苦手な人や話に対して尊重する気持ちを持てというのは無理させてることになります。
そのために必要なのは、対話の場以外で日頃からコミュニケーションを取ることです。
人はたくさん関わることで相手に親近感を覚え、基本的に嫌な感情を抱きにくいというデータもあります。
ですので、良いコミュニティづくりが良い対話の場につながるのだろうなと思います。
ポイント③フラットな関係性
組織の中で上下関係があることは普通のことです。そうでなくても知識量や経験値などで力量の差があることもあります。
でも、対話の場ではそれらを一旦横に置いて話せることが重要ではないでしょうか。
関係に上下がある場合、上の人の意見が通り、下の人のモチベーションは低下します。
それではみんなが納得できる良い対話にはなりません。
話したい人がちゃんと話せて、それが受け止めてもらえる、そういう対話の場を作りたいですね。
ポイント④適切な人数
人間関係が良くても、人数が多すぎたらみんなの発言の機会を保証できません。話したいことを適切なタイミングで話しにくくなるし、みんなに気を遣って発言を控えたりもします。
10人以上は多すぎると思います。多すぎたらグループ分けをして、全体共有とグループ対話に分けた方が良いです。
子どもはよく3人班で組んでましたが、大人は5~6人が適切な人数ではないでしょうか。
ポイント⑤納得できる決定方法
意見を出し合って終わり、の会議の時はみんなで意志決定をする必要はありませんが、結論が必要な時はどういう風に決めるのかを合意する必要があります。
ありがちなのは多数決ですが、これは民主的な決め方ではありません。多数決はそれで決めることをみんなが合意した時にだけ民主的な決め方と言えます。
一番良いのはみんなが納得する内容で合意すること。A案かB案のどちらでも納得できないならC案を構築すること。
でもこれはなかなか時間がかかり、現実的に難しい場面もあります。
ですので、これを目指しつつ、時間も考えつつ、どういう道がみんなが一番納得に近づくかを考えることが大切だと思います。
少なくとも結論ありきの予定調和な会議だけは避けたいですね。(教員の職員会議はそうなりつつあるが・・・)
ポイント⑥ファシリテーターの力量
ファシリテーター(促進者)の力量は対話が良いものになるかに大きく関わってきます。
ファシリテーターはただ司会として議事を進めるだけではなく、良い対話ができるように参加者の心理や場の状況を鑑みて発言する必要があります。
人間関係があまりできてない人との対話もあるし、時間がかなり少ない場合もあります。
そんな時はファシリテーターが力関係を生まないようにしたり、発言しやすい雰囲気を作ったり、話を振ったりすることが大切ではないでしょうか。
一番大切な仕事は参加者に”問う”こと。人間は問われると思考が進むことがあります。論点となっているところを整理して全体に問うことで、色んな人の意見を引き出す必要があります。
また、その問いについて考える間をもつことも大事ですね。沈黙する時間をじっくりと持てるのがよいファシリテーターであり、対話の場だと思います。
大事なのは心理的安心感・合意形成
昔は自由とは制限がないことだと思っていました。だから、自由経済とか新自由主義とかは良いものだと考えていました。
そうではなくて、自由には一人一人が自由を感じるためのルール設計が必要。ハンディキャップを設ける方が公平で自由な時もあります。
だから対話のルールを設けることも時には必要かもしれないし、そういう設計ができないと、参加者の気遣いに委ねるだけになります。
言いたいことを堪えたり、自分を押し殺すことが必要なのではないです。話したい!話せてよかった!そう思える心理的安心感が得られる対話をつくりたいですね。
また結論が必要な場合は、100%の満足はなくても、みんなが許容できるラインまで持っていくことが重要です。
できれば対話によって相乗効果が出る結論になったら最高です。そこまでいかなくてもみんなが納得して合意形成をすることが何より大切です。
会議は無駄、それより手を動かせ、みたいな風潮もありました。でもそれはバランスの問題であり、話し合うことはこれからもっと重要性を増していくと思います。
対話や議論についてはデモクラティックスクールをやっている以上、もっと深めたいと思うので、本読んだりしてまた勉強していきます。なのでこの記事はリライトしたい!
コメント