映画「夢みる小学校 完結編」を見てきました!
この映画は映画館ではやっておらず、自主上映でしか見れないので、貴重な機会です。
と言いつつも、子どもが暴れまわったせいで開始30分で退出する羽目になりましたが(笑)
でも、最後まで見た妻に聞いたところ、前回の作品と大きくは変わらなかったとのこと。
前回の作品とは完結編ではない映画「夢みる小学校」ですね。
この映画は、きのくに子どもの村学園をはじめ、伊那市立伊那小学校、世田谷区立桜丘中学校、といった学校の実践を通して、自由な教育について紹介するものです。
しかし、この映画の中身も詳細には覚えていないので、作品レビューはできそうにありません。。。
ですので、この日見た冒頭30分の中にあったセリフ「子どもたちは責任を取らなくていい。責任は大人が取るから子どもたちはどんどんチャレンジしてほしい。ここでは自由と責任という言葉は禁句なのです。」ということについて考えてみたいと思います。
これはきのくに子どもの村学園の創設者であり、学園長である堀真一郎さんがおっしゃっていた言葉です。
改めて聞くと、色々と考えさせられました。
そして、その後に南アルプス子どもの村小中学校の校長であるかとちゃんがこう補足していました。
「どんな子でも受け止めるというメッセージを伝えたい」「(子どもは)責任は取らなくていいけど、人の自由を奪う自由はない」
大事なことだと思います。
これはもう一度考える価値があると思い、本記事では子どもの自由と責任について考察してみます!
きのくに子どもの村学園とは?
きのくに子どもの村学園は1992年和歌山県の橋本市で設立されました。
堀真一郎さんは元々大学の先生をしていた方ですが、イギリスのサマーヒルスクールに感銘を受け、そこをモデルにして学校を作られました。
このサマーヒルスクールは1921年A.S.ニイルが設立した「世界で一番自由な学校」と呼ばれる学校です。
世界で最も古いフリースクールと呼ばれるフリースクールの元祖です。
イチ大学教授であった堀さんが学校を作るのは財政的にも労力的にも大変なことで、子供服でおなじみミキハウスの協力を得ることで実現するできたそうです。
学校の方針は以下、ホームページから引用します。
◉学園の基本方針
私たちは、どの子にも、感情、知性、人間関係のいずれの面でも自由な子どもに育ってほしいと願っています。
そのため、次の3つの点を大切に考えています。
■自己決定の原則 子どもがいろいろなことを決めます。
学習計画や行事の立案が子どもと大人の話し合いで決まります。自分の入るクラスが選べます。クラスミーティング、寮のミーティング、そして全校集会など、話し合いのとても多い学校です。■個性化の原則 一人ひとりの違いや興味が大事にされます。
個性や個人差を尊重します。年齢が同じだからといって、同じことを同じ方法で、同じペースで、同じ答えに向かって学習するのではありません。ひろい範囲のさまざまな学習や活動が選べます。■体験学習の原則 直接体験や実際生活が学習の中心になっています。
本やドリルの勉強よりも、実際に作ったり調べたりする活動が重視され、「プロジェクト」と呼ばれて時間割の半分を占めています。クラスはプロジェクトのテーマによってつくられ、子どもは好きなところを選んで所属します。
通常の学校のアンチテーゼになっている部分があり、これまでの公立学校は「学校が決定」「集団重視」「座学中心」といったまさに正反対の方針だったと思います。
このきのくに学園の取り組みは注目を浴びており、徐々に色んな学校にも広がっています。
きのくに子どもの村学園については書籍もたくさん出ているので、詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください!
責任の有無がサマーヒルスクールとサドベリースクールの違い
前述したように、サマーヒルスクールをモデルにしているきのくに子どもの村学園では子どもに責任を持たせません。
しかし、私のやっているサドベリースクールでは自由と責任は表裏一体です。
だからサドベリースクールでは子どもが運営に携わるのです。
ここがサマーヒルスクールとサドベリースクールの1番の違いなのです。
サマーヒルスクールも、自分の時間は自由に使える、学校のことはミーティングで子どもたちが決定する、年齢ミックス、といったようにサドベリースクールと同様の方針を掲げております。
ちなみにきのくに学園はいわゆる一条校なこともあり、内容は柔軟であるものの時間割は決まっています。
サマーヒルスクールでは「子どもが自由なのは自分たちの学びに関する部分だけ」と考え、運営に関わるのは煩雑で子どもの学びを妨げると考えられます。
一方、デモクラティックスクールは「自分たちの学校だから自分たちで自治する」という考え方を持っています。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、簡単にまとめてみました。
子どもが責任を負わないメリット
・自己責任論にはならず、安心できる
・子どものチャレンジ・活動が増える
・より自由を感じることができる
・責任の概念が理解しにくい低年齢に向いている
子どもが責任を負わないデメリット
・自由の幅が制限される(人事・お金など)
・自分と他人の共生について考えにくい
・責任を果たす達成感がない
・現実社会での民主的な場づくりとは乖離がある
どちらが良いかはなく、学校が目指すものによって違うだけだと思います。
みょーちゃんはどちらが良いと思っているのか
子どもの権利を大事にしている限り、どちらの方針も良いと思いました。
ターゲットや考え方が違うだけなんだろうなとは思いました。
あと、責任という言葉の捉え方にも違いがあるように感じます。
冒頭のかとちゃんの発言にもあるように、サマーヒルスクールでも責任は全くないわけではないのです。ただ押し付けられるようなネガティブな意味での責任はない、ということだと思います。
ただ私は子どもが責任を感じながら選択をすべきだとは思っています。
だからデモクラティックスクールを選びました。
何かを選ぶことは何かを捨てることであるし、みんなが共生する上で人を巻き込むような行動については考える必要があります。遊びたいおもちゃがあるなら、片付けについても考えなければいけません。
もちろん責任を押し付けるのは違いますし、自己責任論で突き放すのも違います。そう思わせない雰囲気作りはものすごく大切です。
でも、子どもが自由を得られる反面発生する責任について考えなくていいとは思わないのです。
そうは言っても子どもが安心して過ごせるサマーヒルスクールやきのくに子どもの村学園の取り組みも本当に素敵だと改めて思ったので、参考にしていきたいです!






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