子どもの権利について考えてみた【子どもアドボカシー】

子どもの権利について知っていますか?

2023年にこども基本法が施行されて最近話題の考え方ですが、国連では1989年に既に「子どもの権利条約」が採択されています。

昨今、学校で教員の不祥事の報道が多くされますが、以前「教室マルトリートメント」という本を読みました。

マルトリートメントとは、法に触れる、不祥事と言われるほどではないが、子どもにとって悪影響を与える不適切な対応のことを言います。

これが教室で行われている、つまり学校で子どもの権利が守られていないということです。

では、子どもの権利とは何か、どういうことが子どもの権利の侵害になるのか、どうすれば子どもの権利を守れるのか、について考えていきたいと思います。

子どもに関わる教育関係者の方、ぜひお読みください!

子どもの権利とは?

子どもの権利は1989年国連で採択された「子どもの権利条約」が基になって作られている考え方です。

ですので、ここでは「子どもの権利条約」について紹介していくことで、子どもの権利について確認したいと思います。

「子どもの権利条約」の概要は以下の通りです。

出典:こども基本法プロジェクトhttps://kodomokihonhou.jp/rights/

女性や子どもはかつて人権を尊重されていなかった時代がありました。

この条約は、その反省を踏まえて、全ての人に人権を保証するための一つです。

基本的に大人と子どもは等しく人権が保証されているという考え方ですが、子どもには子ども特有の人権があるという考えも取り入れています。

条約には子どもの権利として以下のようなことが書かれています。

出典:こども基本法プロジェクトhttps://kodomokihonhou.jp/rights/

全部で54条ある条約ですが、41条以下は条約締結の条件など、子どもの権利の内容以外の規程が書かれています。

とは言っても40条もあって中身がどっさりなので、4つの原則でまとめてくれています。

出典:こども基本法プロジェクトhttps://kodomokihonhou.jp/rights/

ということでこの4つの原則をおさえておけば、まずは子どもの権利について知る一歩目ということが言えるでしょう。

学校で子どもの権利が守られていない時

さて、これらの子どもの権利の中で学校の中で守られにくいものはどれでしょうか?

もちろん差別したり、暴力をしたり、というのは論外ですが、学校という文化の中で権利を侵害しているか微妙なところものもあります。

それは以下の2つだと思います。

①意見を表す権利

これは近年学校でも大切にされ始めているように思います。

しかし、大人の言うことを聞いとけ的な価値観はまだあると思います。

頭ごなしに強く叱る、というのもその一つではないでしょうか。

そこまでいかなくても、意見を表す場、子どもの意見が反映される場が用意されておらず、大人が勝手に決めることは多々あると思います。

全部が全部子どもの意見を聴いたり反映させることは難しいので、子どもアドボカシー(代弁)というのを大切にしなければいけませんね。

②休み、遊ぶ権利

休み時間・遊ぶ時間は学校では確保されてるじゃないか!という意見があると思います。

しかし、学校の休み時間は短いです。

なのにもかかわらず、生徒指導や委員会活動、授業の延長、行事などで休み時間がつぶれたりします。

そしてその休み時間のリカバリーをしないことも多々あります。

これは明確に子どもの権利の侵害だと思います。

子どもの休み時間ならどう使ってもいい的な教師の考え方を改めて、職員会議でもどう休み時間を確保するかを視点の一つとしてもつことが重要です。

どうすれば子どもの権利が守れるか

もっと根本的な命の保証、差別の禁止、といったものは当然のこととして、上で挙げたような侵害されやすい子どもの権利をどう守っていくか。

それは、子どもの意見に真摯に耳を傾けて、一緒に学校を作るのがよいのではないでしょうか。

私のやっているデモクラティックスクールはまさにそうですし、以前の記事で取り上げたきのくみ子どもの村学園やイエナプランでも”対話”や”ミーティング”というのを重視しております。

全てを子どもに委ねる必要はありませんが、子どもの意見をいつも大事にしながら進めることで、子ども自身が人権を守ることにもつながります。

大人の権利が守られる社会=子どもの権利が守られる社会

今回は子どもの権利について考えましたが、そもそも社会は人の権利を守れているんでしょうか。

ひと昔前、ブラック企業という言葉が流行りました。薄給で深夜まで残業させられたり、過酷な労働を強いられたり。

これって人権が守られていない会社のことだと思います。

自分の意思が尊重されない、挨拶しても返ってこない、人として認められている空気感がない、雰囲気が暗い、誰も仕事を教えてくれない、聞いてもそっけない。

私もそういう職場で働いたことがあります。

人権を尊重する雰囲気=人として受け入れてる雰囲気はめっちゃ大事だと思います。

子どもの権利と大人の権利では差異があれど、まず先に大人の権利が守られるべきかもしれません。

自分が満たされることによって子どもの権利にも目が向きやすいと思います。

砂漠でのどがカラカラの状態では人に水を与える余裕は生まれませんね。

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